世界腎臓デーをきっかけに、健康診断で腎臓の健康を見直してみませんか
毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー」です。
「世界腎臓デー」は、腎臓病の早期発見と予防の大切さについて、世界中で考える日として制定されています。腎臓病と聞くと、「自分にはまだ関係ない」「特別な人がなる病気」と感じる方もいるかもしれません。しかし実際には、年齢や生活習慣の影響を受けやすく、誰にとっても身近な病気の一つです。日本では2023年の統計調査で約1,480万人の慢性腎臓病(CKD)患者がいるとされ、これは成人の約7~8人に1人がCKDという計算になります。
腎臓の働き
腎臓は、体の中を流れる血液をろ過し、不要な老廃物や余分な水分を尿として体の外に出す働きをしており、血圧の調整や体内の水分・ミネラルのバランスを整えるなど、私たちが毎日を健康に過ごすために欠かせない重要な役割を担っています。
しかし腎臓は、機能が低下しても痛みや強い不調を感じにくい臓器です。そのため、気づかないうちに負担が積み重なり、むくみや息切れなどの症状が出る頃には、すでに腎臓の働きがかなり低下しているケースも少なくありません。
こんな症状にご注意を
・身体のむくみ
・倦怠感(だるさ)
・高血圧
・尿の変化(タンパク尿・血尿・尿量)
早期発見のために
こうした腎臓の変化に早く気づくために、とても重要な役割を果たすのが健康診断です。腎臓の状態を知るために「クレアチニン」や「eGFR(推定糸球体濾過量)」といった血液検査が測定されます。しかし、健康診断のコースによっては検査項目に含まれていないことがあります。いつも受けている検査項目を一度確認してみましょう。
クレアチニンとeGFRは、どちらも腎臓の濾過機能(老廃物を尿に出す力)を評価する指標で、互いに逆の動きをする関係にあります。血清クレアチニン値が高いほど腎機能は悪く、算出されるeGFRは低く(低数値=腎機能低下)なります。eGFRの基準値は年齢や性別によって異なりますが、一般的に90 mL/min/1.73m²以上が正常とされています。60未満が3ヶ月以上続くと「慢性腎臓病(CKD)」と診断されます。腎臓病は症状がないからこそ、血液検査で数値の変化を確認し、早めに対応することが重要です。
腎臓病を予防するために
腎臓病は、早期に発見し、適切な対策をとることで進行を抑えられる病気です。特に生活習慣の見直しは、腎臓への負担を軽減する大きなポイントとなります。
①塩分は1日6g未満に
塩分の多い食事は血圧を上げやすく、腎臓に負担をかけてしまいます。
外食や加工食品が多い方は、少し意識して減塩を心がけるだけでも、腎臓の健康につながります。
②無理のない範囲で運動を
適度な運動は血流を良くし、血圧や血糖の管理にも役立ちます。
特別な運動を始める必要はなく、ウォーキングや日常生活の中で体を動かす機会を増やすことから始めてみましょう。
③適度な水分補給を
体内の水分が不足すると、腎臓に負担がかかりやすくなります。
のどが渇く前に、こまめに水分をとる習慣を意識してみてください。
④高血圧や糖尿病の管理を
これらの持病がある方は、健診結果を定期的に確認し、医師の指示に従いながら管理を続けることが腎臓を守ることにつながります。
まとめ
世界腎臓デーは、腎臓の健康について立ち止まって考える良い機会です。これまでの生活習慣を振り返り、健診結果でクレアチニンやeGFRの数値に変化がないかを確認してみましょう。少しでも気になることがあればかかりつけ医へ早めに相談してください。