はじめに
近年、「心不全パンデミック」という言葉が注目されています。
食生活や生活習慣の欧米化により心筋梗塞や狭心症といった心臓病が増加し、さらに高齢化の影響で高血圧や弁膜症を抱える方も増えています。その結果、心不全の患者さんが急速に増えているのです。
2024年の厚生労働省の人口動態統計によると、心臓病は日本人の死因の第2位で全体の14.1%を占めています。特に高齢化が進む日本では、2035年頃には心不全患者数が約130万人に達すると予測されており、医療体制や医療費にも大きな影響が懸念されています。
心不全とはどんな病気?
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなった状態をいいます。
主な症状には以下のようなものがあります。
- 息切れしやすい
- 足がむくむ
- 疲れやすい、体がだるい
- 急に体重が増える
これらは「年のせい」と思われがちですが、実は既に心不全の進行がはじまっている「隠れ心不全」である場合もあります。高血圧や糖尿病など生活習慣病のある方は特に注意が必要です。
心不全は一度発症すると完治することはなく、悪化と回復を繰り返しながら進行していきます。だからこそ、初期の段階で発見し、病気の進行を食い止めることが大切です。
健康診断でできる心臓チェック
心臓の状態を調べる代表的な検査には、健康診断や人間ドックで行う以下のようなものがあります。
- 心電図・胸部レントゲン:心臓の電気的な働きや形態を確認できます。
- 血液検査(NT-pro BNP):心臓に負担がかかると増えるホルモンを調べ、心臓の機能低下を評価します。
- 心臓超音波(エコー)検査:心臓の動きや血流をリアルタイムで観察し、心不全や心臓病の有無を詳しく確認できます。
これらを組み合わせることで、心臓の状態をより正確に知ることができます。
心不全を防ぐためにできること
心不全は、さまざまな心臓病や生活習慣病の行きつく先ともいわれています。予防のために、日頃から次のような生活を心がけましょう。
- 塩分・脂肪を控えたバランスのよい食事
- 無理のない継続的な運動
- 禁煙と節度ある飲酒
- 質のよい睡眠と十分な休養
- ストレスをためない生活
そして、少しでも体の変化や不調を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
まとめ
心不全は誰にでも起こりうる病気であり、決して他人事ではありません。
健康診断や人間ドックで心臓の状態を確認し、気になる症状があれば一度ご相談ください。早めのチェックが、健康な生活を守る第一歩になります。