子宮がんについて
「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類
子宮がんには大きく分けて、子宮入り口である頸部にできる「子宮頸がん」と、子宮体部の子宮内膜にできる「子宮体がん」の2種類があります。
どちらも早期発見が大切で、早期の場合、治癒率が高いがんです。

20~40代に増えている子宮頸がん・40歳以降から増え始める「子宮体がん」
日本では、年間約10,000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2,900人が子宮頸がんによって死亡しています。日本における子宮頸がんの罹患率および死亡率は増加傾向にあります。
とくに20〜40代の世代における子宮頸がんの罹患率は増加傾向にあります。
近年増加し続けている子宮体がんの早期発見にはMRI検査が効果的です。一般的な子宮がん検査(採取・エコー検査)と併用して受けて頂くことで、より正確な診断結果を受けることができます。
子宮頸がん検診
子宮頸がん検診は、20歳から、2年に1回定期的に受診することが大切です。
問診、視診、内診と医師が採取した細胞による細胞診※1を行います。
月経時は避けて受診しましょう。
※1 自分で細胞をとる自己採取では、子宮頸部からうまく細胞がとれないため、適切にがんを見つけられません。
性交渉未経験者は、HPVに感染するリスクが低いため、検診を受けるメリットは小さくなります。
がんの原因「HPV」
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。
HPVは主に性交渉によって感染し、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染するといわれています。
感染してもほとんどが免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、このうち自然治癒しない一部の人は異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。
HPV検査は、原因ウイルスの有無を調べる検査です。
細胞診で採取した細胞で検査が可能で、子宮頸がん検診と併用した受診がおすすめです。
新しいレディース検診「MRI検査」
子宮・卵巣MRI検査
MRIというトンネルのような機械の中に入り、強力な磁石と電磁波を使って骨盤内の子宮や卵巣といった臓器を撮影する検査です。放射線は使用しないので、被ばくの心配はありません。
撮影する画像には、子宮内部の構造や子宮壁の状態、卵巣の大きさなどが写ります。
子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんだけでなく、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症など、がん以外の病気が見つかることもあります。
脚を広げる体勢や、見られたり触られたりする内診が恥ずかしいとなかなか勇気が出ないという方におすすめな検査です。
おわりに
予防のために定期的な検診を!
子宮頸がんは早期に発見すれば子宮を残した治療が可能で、比較的に治癒率が高いがんといわれています。
しかし、初期には症状がほとんどないがんのため、定期的に検査を受けることが重要です。
予防のため、2年に1回定期的に検診を受診しましょう。