はじめに
突然ですが、こんな症状はありませんか?
思い当たる症状があった方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠中に何度も呼吸が止まった状態(無呼吸)を繰り返す病気です。
この病気の大部分は、睡眠中に気道が閉じてしまう閉塞型というタイプで、多くの場合いびきを伴います。
肥満の方や、もともと気道が狭い構造になっている首が太く短い方、顎の小さい方におこりやすいといわれています。睡眠中に咽頭や舌の付け根の筋肉が緩むことでさらに気道を塞いでしまい、無呼吸状態となります。
放っておくことで大きなリスクが!
適切な睡眠がとれていないことで、日中に強い眠気を感じたり、無治療のまま放っておくと生活習慣病を招いたり、悪化させたりする恐れがあります。
また、集中力の低下が起こりやすく、健常な人に比べて交通事故や作業中の事故の割合が多いというデータもあります。
健康な生活を維持するためには、早期発見、早期治療が大切です。
SASの検査ってどんなことをするの?
まずは簡易検査として、ご自宅で眠っている間の呼吸や血液中の酸素濃度の測定を行い、SASの疑いがあるかどうかを調べます。
その後、SASの疑いがある方は、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査という精密検査を行います。
終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査とは?
簡易検査で行う呼吸や血液中の酸素濃度の他に、脳波や目の動き、顎の筋電図によって睡眠の深さや本人が気付かない脳の目覚め(覚醒反応)を調べます。
睡眠と呼吸の状態をより詳しく調べるため、1泊の入院が必要となります。
調べる項目は簡易検査よりも増えますが、痛みを伴う検査ではありませんのでご安心ください。
- 一晩7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸がある(10秒以上の呼吸気流の停止)
- 1時間あたりに5回以上の無呼吸がある
どちらかがある場合にSASと診断されます。
SASと診断された場合、どんな治療をするの?
SASの治療には、
- 内科的な治療(CPAP療法)
- 外科的な治療(口蓋垂や扁桃の切除)
- 歯科装具(マウスピース)
など患者さんの状態に合わせてさまざまな方法があります。
一般的に中等症以上の患者さんの場合には、内科的な治療である「CPAP(シーパップ)」といわれる治療法が選択されます。
CPAP療法とは、睡眠時に酸素マスクのようにCPAP装置を着け、鼻マスクを介して風を送り気道を広げる方法です。国内で60万人の方が治療されているといわれています。
おわりに
ただの睡眠不足かな?と軽く考えてしまいがちですが、放っておくことで交通事故など重大な事態を招く場合があります。
自覚症状がある方や、ご家族のいびきや睡眠時の呼吸が気になる方、もしかしてSASかな?と思われた方は、まずは簡易検査をしてみませんか?