2024年元旦。おせちを囲みながら、お正月を迎えていた方も多かったのではないでしょうか。
そんな中、石川県能登地方で震度7の揺れを観測し、令和6年能登半島地震が起こりました。
テレビをつけると、時間が経過すると共に、倒壊した住居や建物、寸断された道路など、衝撃的な映像が映し出され、いたたまれない気持ちになると同時に、愕然としたことを鮮明に覚えています。

復旧作業が進まない地域も多く、ボランティアの受入れ体制が整っていない地域もあります。

そんな中、愛生館の従業員2名(小林・中村)が、2月23~25日にボランティアとして石川県七尾市能登島へ行ってきましたので、その様子をお伝えします。

ボランティアに参加した経緯は?

▶小林:元々、愛知県の災害ボランティアに登録をしおり、どこかで災害などが起こった時には、時間の許す限りボランティアに参加しています。

今回は、知人の紹介があり、特定非営利活動法人ユナイテッド・アースのボランティア活動に参加することとなりました。

他にも行ける人がいたら一緒に参加したいと思い、中村さんに声を掛けて行ってきました。

▶中村:被災地の報道などを見る度に、お役に立てるならボランティアに参加してみたいという漠然とした気持ちはありました。しかし、募金くらいしかしたことがなく、どうしたらよいか分からず、動くことが出来ていませんでした。そんな時、小林さんから声を掛けてもらい、参加することになりました。

どんな活動をしてきましたか?

▶小林:石川県七尾市能登島で、民家の片づけをさせていただきました。被害の大きかった輪島市や珠洲市からは少し離れた場所に位置します。

道路の整備は少しずつされ、通行が出来る状態になってはいるものの、地盤沈下や液状化現象が起こっている場所も多くありました。

ボランティアでは、危険性の高い作業には携わることができず、家財の運び出しや解体などがメインでした。雨や雪でグチャグチャになっており、片づけても片づけても片付かない。作業した翌日に訪問すると、風や雨でまたグチャグチャ。その繰り返しで、一進一退の状況でした。

今回伺った能登島は、高齢の方も多く、重たい荷物を運ぶなどの作業は出来ません。しかし、私たち以外のボランティアも島内にはおらず、ショベルカーなどで解体作業をする業者がいる様子もありません。住宅などの復旧も進まず、収入も途絶え、このままでは被災地の方々に先の見えない不安が膨れ上がる一方だと感じました。

▶中村:倒壊しそうな住居や建物には触れる事は出来ず、やれることは限られていました。災害ゴミも分別をしないと受け入れてもらえず、分別作業にもとても時間がかかっていました。また3月末で災害ゴミの受け入れが終了予定ため、みんな何とかしようと受け入れ場所は大渋滞。一つひとつの作業にとても時間がかかり、想像していた以上に思うように進みませんでした。

感じたこと・伝えたいこと

▶小林:40代の我々も、作業後は体中が痛くなりました。高齢者の方では、到底困難な作業だと思います。そんな中、屋根に登り一生懸命作業をしている方もおり、地震が来たら落ちてしまわないかとヒヤヒヤしながら見守りました。しかし、誰にも頼れず、自分達でどうにかするしかないのが現状。歯がゆさ、もどかしさ、憤りさえ覚えました。

被災した道路、民家、店舗などを現場で直接見て、触れることで感じることはとても多くあり、今回ユナイテッド・アースさんの活動に参加し、同じ意識を持って活動されている方たちと交流できたこともとても有意義な時間でした。

一緒に行った中村さんが、「行って良かった」と言っていたことも、嬉しい言葉でした。

のと鉄道の運行が再開(一部)しており、希望の光が見えたようで嬉しくなりました🚃

▶中村:地震発生より約2カ月が経過しているので、もっと多くの支援が入っていると思っていました。テレビや今回訪れた場所のその時、そのスポット、でしか状況は見ていないので、もちろんすべてではありません。しかし、時が止まっているかのような状態に正直驚きました。

「被災地の方の力になりたい」「ボランティアに参加したい」「やりたいけど、どうしていいか分からない」などと思っている人はきっと多くいると思います。

まずは、一緒に行動してみませんか?

それぞれの環境や都合など色々あると思います。でも、今回行ってみて一番思うことは、「考えているより、まず行動!」です。

まだまだ被災地の支援は、全然足らない状況です。話を聞いてあげるだけでも、被災地の方の支えになれるかもしれません。

もしボランティアに参加したいと思っている従業員の方がいたら、是非声を掛けてください!小さな輪が大きな輪となれば、大きな力を発揮できるかもしれません。

今回、私がボランティアに参加したことが、皆さんの行動のきっかけになれば嬉しいです。

被災地の皆さんが、一日でも早く平穏な生活に戻れるよう、お祈りしております。