今日は、医薬品の保管方法について書きたいと思います。
医薬品を適切に保管することは、その効果を維持し、安全性を確保するために非常に重要です。ポイントは温度、湿度、光となります。
★温度★
日本薬局方で温度の範囲が指定されています。
●冷所:1~15℃
●標準温度:20℃
●常温:15~25℃
●室温:1~30℃
●微温:30~40℃
医薬品の保存状態が規定されていない場合は、原則室温で保存します。
冷所保存の代表例として、坐薬があります。例えば、カロナール坐薬(アンヒバ)は、体温で基材が融解するように設定されており、温度が高いと基材が溶けてしまい、冷所で保管します。
ピレノキシン点眼液(カタリン)は、開封前は室温保存ですが、溶解後は遮光、冷所で保管します。
逆に、インスリン製剤は、開封前までは凍結を避けて2~8℃で保存します。使用開始後のインスリン製剤は、室温で保温します。理由は、インスリンは凍結すると、たんぱく質が変性し、壊れてしまう危険があるからです。
★湿度★
医薬品は、相対湿度45~55%程度で保存します。
湿気を避けて保存する医薬品として、バルプロ酸(デパケン)、ビオフェルミン、炭酸ランタン(ホスレノール)などは湿気により、活性を失ってしまいます。
また、冷蔵庫で保管しても、結露により薬が吸湿してしまうので注意が必要となります。
★光★
光によって分解されてしまう医薬品は遮光保存します。
代表例として、ビタミン製剤、ケトプロフェン貼付剤(モーラス)などです。
薬によっては保管方法が異なる場合があるので、迷った場合は薬剤師に相談することをおすすめします