~食事と治療~
第二弾は【減塩食】です*
突然ですが、日本人が1日で摂取する塩分はどのくらいか知っていますか??
実際の塩分摂取量と、目標とされる塩分量の間には大きな差があることが分かります。
塩分摂取量を1日6g未満にするためには、塩分を意識した工夫の積み重ねが大切になります。
塩分を過剰に摂取すると、血液中の塩分濃度が高くなり、それを薄めようと水を取り込みます。その結果、体内の血流量が増え、血管にかかる圧力が増えます。これが高血圧に繋がります。さらに、心臓に血液を送りだす力も大きくなるため、心臓にも負担がかかります。この状態が続くと、血管壁が厚くなり動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクにもなります。
したがって、血圧の高い方、心臓疾患のある方の食事の基本は減塩食ということになります。
当院でも塩分制限をしている治療食はいくつかありますが、今回は心臓食と高血圧食を紹介します。
この2つは、病名により分けられていますが、食事内容は同じで、主に塩分制限のみ行っています。
では、どのような工夫で塩分摂取量を6g/日へ近づけれられるのか、当院での減塩の工夫を紹介します。
左が一般食、右が減塩食で提供するものです。
- 汁の量が半分
(当院では、だしをしっかり効かせているため、一般的な味噌汁よりも塩分量は少なくなっています)
2.減塩タイプの製品へ変更
3.汁物を果物やゼリーへ変更
4.その他、塩分含有量の高い食肉加工品や練り製品の使用頻度を調整
減塩指導の際、「塩はほとんど使わないよ」といわれる方もいらっしゃいます。
塩は食塩だけでなく、しょうゆや味噌、ソースなど普段使う調味料に多く含まれます。その他にも、ハム・ソーセージなどの食肉加工品、蒲鉾・竹輪・はんぺんなどの練り製品、たらこ・塩鮭・塩鯖などの塩蔵品、漬物や梅干し、さらにインスタント食品も塩分が多い身近な食品です。
塩分摂取量を6g/日未満とするためには、1食あたり2g未満とする必要があります。
下の写真で塩分量を比べてみて下さい。
少しの工夫で塩分を減らすことができます☆
減塩が必要といわれている方は、塩分を多く含む食品の摂取量や摂取頻度を減らすよう心がけましょう。
そして、食品購入の際は≪塩分相当量≫の成分表示を意識して見るようにしましょう。
また、カリウムを多く含む食品を摂取することで体内の不要なナトリウムを体外へ排泄する効果があります。カリウムは野菜に多く含まれますが、水に溶ける性質があるため、生野菜または蒸し野菜での摂取がお勧めです☆
減塩方法について詳しく知りたい方は、外来栄養指導にて管理栄養士が個々に合った方法を詳しく説明します。是非一度主治医へ相談してみてください(^^)